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アナリティクスのイベント分析でフォームを改善しよう

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入力フォームの問題点をGoogleアナリティクスのイベントトラッキングで分析し、改善の4原則で効果的に改善する方法。

入力フォームを改善するときにGoogleアナリティクスで分析してフォームの問題点を探ることがある。そのとき、目標到達プロセス、フォームへの流入や流出などを見て問題点を見つけていくのだが、アナリティクスはそのままではフォーム内の入力状況まで追うことができない。そこで、Googleアナリティクスを機能拡張する GA Functions を使ってフォーム内の入力状況を測定し、フォームの問題点を分析、改善する方法を紹介する。また、改善の4原則ECRSからフォーム改善のプロセスをステップを踏みながら実行してく方法も合わせて解説する。

アナリティクスでイベントトラッキングを測定する

Googleアナリティクスにはイベントトラッキングという機能がある。ウェブサイトのページビュー以外の動作を測定する仕組みだ。アナリティクスのメニューから「コンテンツ>イベント」とたどっていくと見られるのだが、そのままでは何も表示されない。

イベントトラッキングを使うには、ウェブサイトにスクリプトを組み込み、ユーザーがクリックや入力などの操作をしたときにデータをアナリティクスに送信する必要がある。スクリプトの組み込みはプログラミングのスキルがないと難しいのだが、Googleアナリティクスを機能拡張するGA Functions を使うとフォーム入力のイベントを簡単にアナリティクスに送信できる。

イベント分析で入力回数と入力時間を見る

GA Functionsを導入して、Googleアナリティクスの「コンテンツ>イベント>ページ>(フォームのURL)>イベントカテゴリInput>イベントアクションchange」と進んでいくと、次のような画面が見られる。イベントラベルに「ページのURI#入力タイプ#要素のname」が表示され、平均値には入力時間(秒)の平均値が表示される。

イベント数を見るとそれぞれの入力欄の入力回数が分かるので、入力回数が少ない入力欄や多い入力欄を見ることで問題点を見つけられる。この例では都道府県と建物・部屋の入力が他に比べて少ない。さらに調べると、都道府県にはこのサイトの対象地域の県名があらかじめ入力されていて再入力の必要が少なかった。建物・部屋は入力しなくていいユーザーもいるので、数が少ないのは特に問題ではないようだった。

入力時間の平均値を見ると、名前とお客様IDの入力時間が長い。このフォームでは名前はフォームの先頭にあるために入力開始まで時間がかかる。お客様IDはユーザーが覚えてない情報のため調べるのに時間がかかっているようなので、改善の必要性が考えられる。

イベントフロー分析で離脱している箇所を見つける

次に、イベントフローを見てみよう。アナリティクスのメニューから「コンテンツ>イベント>イベントフロー」と進むと見られるが、そのままでは全てのイベントが混ざってしまい分かりにくい。そこで、アドバンスセグメントでページまたはイベントラベルをフォームに絞り込むと、フローが見やすくなる。

この例を見ると、入力中の離脱が数えるほどしかなかった。ページの離脱率はもっと高かったので、ほとんどは入力開始前に離脱していることになる。

原因の場所を切り分ける

入力開始前の離脱が多いとなると、フォーム以外に問題がある可能性もある。その場合は、フォームへの流入、他のページへの遷移などのフォーム以外のデータも分析して原因の場所を切り分けていく。

以降はフォーム内の改善に限って話を進める。

フォーム内の問題箇所を見つける

イベント分析で離脱が多い入力箇所や入力時間が長い入力箇所を見つけたら、それが本当に問題で改善が必要かどうか調べよう。

離脱が多いところ

いくつかのサイトのフォームを調べると、離脱が一番多いのは入力開始前だった。入力途中の離脱は数%で、多くのユーザーは入力し始めると最後まで入力する傾向が強い。その中でも次のようなところでの離脱が比較的多かった。

  • 入力し始める前
  • フォームに欠陥があるところ(選択肢が存在しない、項目名が曖昧など)
  • 判断が必要なところ(商品の選択、数量の入力など)
  • 調べないと分からない情報(カード番号、顧客IDなど)
  • 送信の直前
  •  

     

    対策の検討

    イベント分析で問題の箇所を見つけたら、なぜそこが問題かを探り対策を検討する。アクセス解析だけで判断が難しいときは、次のような手法も使っていく。

    • ユーザーテスト
    • A/Bテスト
    • 仮説をたててやってみて検証する
    • フォーム改善の原則に当てはめてみる

    改善の4原則ECRS

    ここで改善の4原則ECRSを紹介しよう。ECRSとは生産などのプロセスを改善する考え方で、以下の4ステップを行うことで効果的に改善が図れるというものだ。

    E なくせないか (Eliminate)
    C 一緒にできないか (Combine)
    R 順序を変えられないか (Rearrange)
    S 簡素化できないか (Simplify)

    この順序が重要で、先頭のEから優先的に改善を進めていき、Sを最後に行う。
    フォーム入力も一つのプロセスと考えると、この原則に当てはめることで、以下のようにステップを踏みながら改善を図ることができる。

    E なくせないか (Eliminate) 不要な項目を削除する、必須項目を減らす、エラー時の再入力をなくす、考えさせない(選択肢を減らす)、調べさせない(ユーザーが知らない情報をなくす)、余計な操作や機能をなくす(不要なナビゲーションやクリアボタン)、不要な情報を減らす(長い説明)
    C 一緒にできないか (Combine) 名前の姓名をまとめる、郵便番号を分けない、住所欄を細かくし過ぎない、エラーをフォーム内に表示する
    R 順序を変えられないか (Rearrange) 必須欄を先頭にまとめる、関連が高い項目をまとめる、必須でない項目を見えないように閉じておく、ウィザード形式で入力順序を制御する
    S 簡素化できないか (Simplify) 文字種を制限しないで自動変換する、郵便番号から住所を自動入力する、プルダウンメニューをラジオボタンにして操作を簡単にする、入力例を書いて分かりやすくする

     

    改善1:なくせないか(Eliminate)

    フォームの改善のときまず最優先でやりたいのが「なくせないか」。離脱の原因になる入力欄がそのフォームに本当に必要かどうか見直そう。入力欄が少ないほど、ユーザーにとってフォーム入力が簡単になり離脱が減る。入力欄が減れば以降のステップの改善も楽になる。例えば、「資料を郵送するためだけのフォームにメールアドレスは必要か?」「資料をひとつにできれば選択欄が不要になる」「メルマガ会員登録なのに名前や住所は要るのか?」などを検討して、要らない要素を削除しよう。

    改善2:一緒にできないか(Combine)

    不要な項目を削除できたら、次に考えるのが「一緒にできないか」。複数の入力欄をひとつにすることで、入力が楽になる。例えば、「郵便番号が上3桁と下4桁に分かれているを一緒にする」「住所の欄が細かく分かれているのをできるだけまとめる」など。入力欄が分かれているのは、ユーザーのためよりもシステム側の都合であることが多い。入力欄をできるだけ一緒にすることで改善できるか検討しよう。

    改善3:順序を変えられないか(Rearrange)

    「なくせないか」「一緒にできないか」で入力欄を整理できたら、次に順序を変えられないか検討しよう。ユーザーが入力しやすいように、必須項目を上にまとめたり、関連する項目を近くに配置する。

    「必須でない入力欄を見えないように閉じておく」「ウィザード形式にする」など入力順序をコントロールする手段も検討しよう。

    ウィザード形式で離脱が変わる

    1ページのフォームを複数ページのウィザード形式にすると、ユーザーの離脱の仕方が大きく変わる。1ページ目の離脱が大幅に減るが、ページが遷移するたびに少しずつ離脱するようになる。あるサイトでウィザード形式に変えたところ、1ページ目の離脱率が95%から35%に減り、ページが遷移する度に10%ずつ離脱するようになった。そしてトータルのコンバージョン率は3%→15%になり5倍改善した。ウィザードは制作コストがかかるが、入力項目が多い複雑なフォームなら大幅に改善できる可能性があるので検討してみよう。

    改善4:簡素化できないか(Simplify)

    改善の最終段階で、入力を簡素化できないか検討する。プルダウンメニューをラジオボタンにして操作を減らす、文字種の制限をなくす、住所の自動入力などで入力の負担を軽くする。また、入力例を書く、入力欄の色を変える、エラー表示を親切にするなど、分かりやすくすることも検討しよう。

    測定と分析が効果を高める

    数値や改善の例を挙げたが、実際の数値や最適な改善策はサイトによって大きく異なる。肝心なのは、闇雲に対策するのではなく、実際に測定して問題点を見つけて、その原因にあった対策をすることだ。

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    投稿者: 村上 和久

    アクセス解析・Webコンサルティングのアナライズネット代表・Webアナリスト。Googleアナリティクスの導入とカスタマイズ、ウェブ分析、アクセス解析に関するセミナーなどを行っている。

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