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Google Person Finder(消息情報)で安否確認できました

2011年3月11日、大変な震災が起きてしまいました。

私は静岡なので大丈夫でしたが、親戚の多くが石巻を始め宮城県内に住んでいました。

テレビやインターネットで津波や被害の状況が刻々と伝わってくると、親戚が住んでいる地域も大きな被害を受けているようだということが分かってきました。しかし現地には何日も電話が繋がらず、私の親や被害地域外の親戚中で心配していました。しかし、多くの親戚の安否がまったく分からない状態が続きました。171で1家族だけ確認できましたが、その他には171に伝言がありません。

一方、インターネットの復旧は電話よりも早く、Twitterやブログ、掲示板などに情報が流れてきていました。そして、地域毎に安否情報を報告してくれる人、それをまとめてくれる人がいました。そこで、インターネットを活用して親戚の安否を調べることにしました。

まずは地域の掲示板や安否情報を調べました。でも情報は散発的で、あちらこちらに散らばっていてなかなか見つかりません。Google Person Finder(消息情報)というサービスが立ち上がっていたので利用してみました。

Google Person Finder (消息情報): 2011 東日本大震災

しかし私の親戚がいる地域の情報はまだ少ない状態でした。そこで、このまま情報を待っていても難しいだろうと思い、親戚の安否情報の依頼を載せることにしました。個人情報を勝手に載せることになるので仕事柄ちょっと迷いましたが、それよりも安否を確認するのが先だと思い、名前と住所の一部を書き込みました。

そして、GoogleがPicasaで避難所名簿の写真を共有するサービスを提供し始めたので、掲載された写真をしらみつぶしに調べ始めました。今ある仕組みをこのように使うとは、さすがだなと思いましたが、写真を見ていくのは結構大変です。そうすると写真から名簿のテキストを起こしてくれる人たちが出てきました。そしてGoogleが人手でそれをPerson Finderに登録していきます。

このおかげで、Person Finderを検索して、数日後にまだ安否が分からなかった親戚の名前が避難所名簿に載っているのを確認できました。安否が分かって、私の親も安心したようです。幸いにも私の親戚は、家が津波の被害にあったところもありますが、全員無事でした。

その後、Person FinderにはNHKやその他期間の情報も統合されて、安否情報データベースとして集約されたものとなりました。避難所名簿をまとめる人、その写真を送信する人、文字を起こす人、データベースに登録する人、それらの人々の連携で、この安否確認システムはとてもうまくいったと思います。

しかし、問題もあります。これは個人情報の扱いです。名前や住所がたくさん載るので、それを集めて悪用する人がいないとは限りません。避難所毎に名簿の掲載許可の確認をしたところもあるようですが、私を含め多くの人が本人の許可を取れないまま個人情報を掲載した可能性があります。非常時とはいえ、今後問題が出てくる可能性があります。

一応、Person Finderは大量の個人情報をまとめて取得できないように工夫されています。私は安否を知らせてもらえるように電話番号とメールアドレスを載せましたが、見るにはワンクッション必要で、簡単に個人情報を集められないようになっていました。

個人情報の問題はありますが、私が掲載した親戚の安否情報は無駄ではなかったようです。掲載後、その情報を見た何人かの方から連絡を受けました。同姓同名の別人を探していた人、親戚の親戚など。それらの方と連絡を取り合うことで、先方の安否確認のお役に立てたかも知れません。

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投稿者: 村上 和久

アクセス解析・Webコンサルティングのアナライズネット代表・Webアナリスト。Googleアナリティクスの導入とカスタマイズ、ウェブ分析、アクセス解析に関するセミナーなどを行っている。

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