今更ながら、P.F.ドラッカーの『マネジメント』を読んだ。
この本は、現代の社会環境の中で、「何をすべきか」を教えてくれる。経営戦略や仕事のやり方で迷っている方、これからの日本の厳しい状況でどうすればいいか悩んでいる方にお薦めしたい。
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『もしドラ』やドラッカー生誕百周年がきっかけでドラッカーがブームになり、多数の関連本が書店に並んでいる。しかしなぜ日本でドラッカーがこんなにブームになっているか、この本を読んでみて分かった気がする。それは、単なるブームではなく、現代の日本が必要としているからだと。
P.F.ドラッカーの『マネジメント』は、経営戦略の本というよりも、「現代の哲学」と言える。多くの経営戦略本は、フレームワークや方法論など経営の道具を与えてくれるが、その道具の使い方、選択は経営者に任される。しかし、P.F.ドラッカーは、方法論よりも、「何をすべきか」「どのようにして正しい選択をするか」を説く。
高度成長期の時代、工業型生産の時代には、アメとムチ、評価制度などによる経営の仕方で生産性を上げ、利益を出すことができた。しかし、現代は知的労働によるサービス型産業が主軸となり、専門知識を持つ従業員が経営の要になってきた。それまでの経営手法では、そのような知的労働を行う従業員のモチベーションが保てなくなり、生産性が上がらなくなっている。P.F.ドラッカーの『マネジメント』を読むと、そのような現代の環境の中で、経営者や管理職としてどのように考え、どのように行動すればいいかが分かる。
原書は30年以上も前に書かれた物だが、現代に至ってもぶれていない。むしろ、これからの社会が必要とする考え方に近づいて来ている。それは、ドラッカー自身が「すでに起こった未来」を見据え、「人々が見えているのに見てないこと」をしっかりと捉え、本筋を説いているからだと思う。
現代の日本は、もはや先進国ではなく、衰退期に入っている。日本の人口は減少し、GDPは中国に追い抜かれている。東日本大震災による大きな被害、円高も続いていて、日本はますます厳しい状況に置かれる。これからの日本の厳しい状況の中で生き残っていくには、ドラッカーが説く考え方がますます必要になってくるだろう。
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